受難の主日(C年)の福音

ルカ19,28-40; ルカ23,1-49
ルカによる主イエス・キリストの受難
C そのとき、23・1民の長老会、祭司長たちや律法学者たちは立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。2そして、イエスをこう訴え始めた。
S 「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」
C 3そこで、ピラトがイエスに尋問した。
A 「お前がユダヤ人の王なのか。」
C イエスはお答えになった。
十 「それは、あなたが言っていることです。」
C 4ピラトは祭司長たちと群衆に言った。
A 「わたしはこの男に何の罪も見いだせない。」
C 5しかし、彼らは言い張った。
S 「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです。」
C 6これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、7ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。へロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。8彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。9それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。10祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。11ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。12この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。13ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、14言った。
A 「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。15ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。16だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
C 18しかし、人々は一斉に叫んだ。
S 「その男を殺せ。バラバを釈放しろ。」
C 19このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。20ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。21しかし、人々は叫び続けた。
S 「十字架につけろ、十字架につけろ。」
C 22ピラトは三度目に言った。
A 「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
C 23ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。24そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。25そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。26人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。27民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。28イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。
十 「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。29人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。30そのとき、人々は山に向かっては、『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、丘に向かっては、『我々を覆ってくれ』と言い始める。31『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」
C 32ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。33「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。34そのとき、イエスは言われた。
十 「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」
C 人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。
A 「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」
C 36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、37言った。
A 「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」
C 38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。
A 「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」
C 40すると、もう一人の方がたしなめた。
A 「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」
C 42そして、言った。
A 「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください。」
C 43すると、イエスは言われた。
十 「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」
C 44既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。45太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。46イエスは大声で叫ばれた。
十 「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」
C こう言って息を引き取られた。
47百人隊長はこの出来事を見て、神を賛美して言った。
A 「本当に、この人は正しい人だった。」
C 48見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。49イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。
福音のメッセージ
「『されこうべ』と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。そのとき、イエスは言われた。『父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。』」ルカ23,33-24
イスラエルの長老たちや祭司長、また、律法学者たちは、自分たちが慣れ親しんでいた生き方を守るために、イエス・キリストを犠牲にすることにしました。ローマの総督であったピラトも、自分を守るために、自分の判断に逆らって、イエスに死刑の判決を下したのです。この人々は、特別に悪い人であったというよりも、程度が違っても、非常に多くの人々の生き方、つまり、自己中心的で、他の人に害を与えても、自分の利益のみ求めている人々の生き方を表しているのです。
イエス・キリストは、それと全く異なる生き方をされることによって、私たちに、父である神が求めておられる生き方、人間にとって最善で、人間を生かす生き方を表してくださるのです。イエスは、苦しみや死を前にしても、自分の身分を否定することなく、父である神から与えられた使命を裏切ることがありませんでした。大きな苦しみの最中にあっても、ご自分のことよりも他の人のことを考え、ご自分の利益のために他の人を利用することなく、ご自分が損をしても、苦しんで命を失うことがあっても、他の人のために真の善を行っていました。つまり、どんな状況にあっても、どんな結果が生じても、イエスは必ず、神と隣人に対する愛に生きていたわけです。
私たちは、イエス・キリストが示してくださった神ご自身の愛に力付けられて、どんな状況においても、愛に生き、善を行うことによって多くの人々を生かすと同時に、自らもまた神ご自身の愛と命にあずかって、永遠に生きることができますように祈りましょう。
祈願
あなたは人類にへりくだりを教えるために、
救い主が人となり、
十字架をになうようにお定めになりました。
わたしたちが、主とともに苦しみを耐えることによって、
復活の喜びをともにすることができますように。
>わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
お知らせ
◎ 聖週間のご案内です
聖木曜日・聖金曜日・復活徹夜祭のミサはいずれも6時半からです。
復活前夜祭のミサは東京教区の通知により洗礼式・堅信式を行います。
◎ 聖木曜日洗足式の参加
聖木曜日の洗足式に参加されたい方は、氏名・電話番号・メールアドレスをご記入頂き聖堂入口の申込箱に4月13日までにお入れ下さい。
皆様のご参加をお待ちしています。
◎ 聖金曜日の典礼
聖金曜日の十字架の道行きは3時から、
主の受難の祭儀6時半からです。
◎ 復活祭のミサのご案内
9時の日本語ミサ、10時半の国際ミサ
◎ サンパウロ教会売店閉店
サンパウロ教会売店は、サンパウロ側の意向により4月20日をもって閉店します。
詳細は売店入口、掲示板をご覧ください。
◎ フォン神父様の最後のミサ
フォン神父様は吉祥寺教会で助任司祭として最後のミサを捧げてくださいました。
この2年間の神父様の指導に感謝し、秋田でも多くの人に神様への道を示すことができますように祈りましょう。
典礼カレンダー
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