四旬節第5主日(C年)の福音

ヨハ8,1-11
そのとき、8・1イエスはオリーブ山へ行かれた。2朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。3そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、4イエスに言った。「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。5こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」6イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。7しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」8そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。9これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。10イエスは、身を起こして言われた。「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか。」11女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
福音のメッセージ
「わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりの素晴らしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています。キリストを得、キリストの内にいる者と認められるためです。」フィリ3,8-9
イエスと出会う前にパウロは、律法に逆らって罪を犯す人が必ず罰せられると考えていました。そして、この罰を恐れて、律法を守るように一生懸命に努力していたわけです。けれども、そのような動機は十分ではありませんでした。時に、律法に逆らう欲望の方が、罰に対する恐れよりも強かったので、この欲望に強いられて、自分の意志に逆らって、罪を犯すことがあったようです。律法は、パウロの罪を現わすことができても、彼をこの罪から守ることができなかったのです。
イエス・キリストと出会うことによって、パウロはまず次のことを知りました。すなわち、神は、その部下に対して横暴を極めている法律制定者のように、人間の現状を考えずにいろいろな掟を押しつけて、それに従わない人を罰するような方ではなく、その子どもを愛している父であり、いろいろな掟によって、幸せと豊かな命に導く善が何であるか、また、不幸と滅びに導く悪が何であるかを教え、私たちを正しい道、つまり幸せと豊かな命に辿り着ける道に導いてくださる方であり、この道からそれる人を罰することによってこの人の苦しみを増すのではなく、正しい道に戻るように励まし、力付ける方であるということです。この事実を知ったパウロは、罰に対する恐れから解放されましたが、パウロを罪の支配から解放したのは、イエスに対する彼の愛なのです。
パウロは、イエスの素晴らしさとイエスの愛の偉大さを知ってから、自らイエスを愛するようになりました。そしてその愛のゆえに、彼は何よりもイエスと共に、イエスの愛に忠実に生きることを求めるようになりました。この望みは、今まで得たものを保ちたいとか、苦しみを避けたいとか、自分の命を守りたいというような望み、つまり多くの場合に罪の原因となっていた望みよりも強いものでしたので、パウロはどんな状況においてもイエスと共に生き、イエスに従うことができました。イエスご自身が、父である神が示してくださった道だけを歩む方ですので、イエスに従うことによってパウロは、永遠の命と最高の幸福に導く道を歩むことができたわけです。
祈願
御子キリストは、
人々を愛してみずからを死に渡されました。
わたしたちも、この愛のうちに
力強く歩むことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
お知らせ
◎ 武蔵野南宣教協力体の荻窪教会、高円寺教会への巡礼のご案内
4月10日、10時に吉祥寺教会を出発し12時頃吉祥寺教会に戻ってきます。事前予約は不要です。皆様のご参加をお待ちしています。
3教会を巡るスタンプラリーも開催中ですので、この機会にご参加ください。
◎ 聖週間のご案内です
聖木曜日・聖金曜日・復活徹夜祭のミサはいずれも6時半からです。
復活前夜祭のミサは東京教区の通知により洗礼式・堅信式を行います。
◎ 聖木曜日の洗足式
聖木曜日の洗足式に参加されたい方は、氏名・電話番号・メールアドレスをご記入頂き聖堂入口の申込箱に4月13日までにお入れ下さい。皆様のご参加をお待ちしています。
◎ 聖金曜日の十字架の道行き
聖金曜日の十字架の道行きは午後3時から、主の受難の祭儀(十字架礼拝)は午後6時半からです。
◎ 復活祭のミサのご案内です。
9時の日本語ミサ、
10時半の国際ミサ
いずれも予約不要です。昨年9時のミサは50席ほど空席があり、10時半の国際ミサは50人ほど立ち見となってしまいました。今年はぜひ9時ミサへのご参加をご検討ください。
◎ 聖木曜日・聖金曜日、復活徹夜祭の聖歌奉仕
聖木曜日・聖金曜日、復活徹夜祭のミサで聖歌奉仕として与る方は、ミサ開始1時間の5時半から聖堂2階で歌の練習を行いますので、ご参加ください。
典礼カレンダー
四旬節
四旬節は、復活の祭儀を準備するために設けられている。四旬節の典礼によって、洗礼志願者はキリスト教入信の諸段階を通して、また、信者はすでに受けた洗礼の記念と償いのわざを通して、過越の神秘の祭儀に備えるのである。
四旬節は、灰の水曜日に始まり、主の晩さんの夕べのミサの前まで続く。四旬節の初めから復活徹夜祭まで「アレルヤ」は唱えない。
四旬節の初めにあたる水曜日は、どこでも断食の日とされ、その日に灰の式が行われる。
四旬節の主日は、四旬節第1、第2、第3、第4、第5主日と呼ぶ。聖週間の始まる第6の主日は、「受難の主日(枝の主日)」という。
聖週間は、救い主キリストのエルサレム入城に始まる受難の追憶に向けられている。聖週間の木曜日の朝、司教は、その司祭団と共同司式ミサを行って油を祝福し、香油を聖別する。
(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則27-31)
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